避難安全検証法(ルートB)の考え方

避難安全検証法は、建物内で発生する火災から避難者が安全に避難できることを計算により確かめる性能設計になります。従来の避難関係規定との大きな違いの一つとして、数式を用いて検証しなければならない点が挙げられるかと思いますので、このページではその辺の手順や数式の考え方について解説します。

避難安全検証法を適用させる際に必要となる検証内容 各検証項目のイメージ

避難安全検証法で用いる計算式 計算具体例

避難安全検証法を適用させる際に必要となる検証内容

■避難安全検証法を適用させる際に必要となる検証項目

避難安全検証法を行う際に必要となってくる検証項目として、下記の3種類の検証項目が挙げられます。

[A] 居室避難の検証
→当該居室にいる人が火災時に他の部屋まで避難できるかどうかの検証
[B] 階避難の検証
→当該階にいる人が火災時に地上又は直通階段まで避難できるかどうかの検証
[C] 全館避難の検証
→当該建物にいる人が火災時に地上まで避難できるかどうかの検証

全館避難安全検証法

「階避難安全検証法」においては、当該階の全ての居室に対して居室避難の検証を行い、
更に当該階避難の検証を行う必要があります。
「全館避難安全検証法」においては、当該建物の全ての階に対して階避難安全検証法の検証を行った上で、 当該建物全館避難の検証を行う必要があります。

■各検証において求める必要がある時間

居室避難・階避難・全館避難の各々の検証項目毎に求める必要がある項目として、下記の4種類の時間が挙げられます。

避難終了時間

① 避難開始時間
(火災が起きたことに気付いて逃げ出すまでの時間)
② 出口に達するまでの歩行時間
(逃げ始めてから出口に到達するまでの時間)
③ 出口の通過に要する時間
(出口のドア廻りで人が滞留することによって停滞してしまう時間)
④ 煙等降下時間
(煙が天井から溜まり始めて、一定の位置に達するまでの時間)

全館避難安全検証法

各検証項目毎に各々の時間を求め、
避難終了時間(①+②+③) ④煙降下時間 を超えないことの検証を行う必要があります。

各検証項目のイメージ

■居室避難の検証とは

居室避難の検証とは

居室の避難終了時間:
当該居室からその他の室へ避難するまでの時間
居室の煙等降下時間:
当該居室で出火してから煙が1.8mのラインに到達するまでの時間

居室の避難終了時間 ≦ 居室の煙等降下時間 ⇒ O.K.

■階避難の検証とは

階避難の検証とは

階の避難終了時間:
当該階から地上への出口又は直通階段へ避難するまでの時間
階の煙等降下時間:
当該階で出火してから地上への出口又は直通階段への扉に面する室に
おいて、煙が1.8mのラインに到達するまでの時間

階の避難終了時間 ≦ 階の煙等降下時間 ⇒ O.K.

■全館避難の検証とは

全館避難の検証とは

全館の避難終了時間:
当該建物から地上への出口へ避難するまでの時間
全館の煙等降下時間:
当該建物内で出火してから竪穴部分(吹抜等も含む)に
煙が流入するまでの時間

全館の避難終了時間 ≦ 階の煙等降下時間 ⇒ O.K.

避難安全検証法で用いる計算式

■計算式(居室避難の検証の場合)

①居室の避難開始時間
(火災が起きたことに気付いて逃げ出すまでの時間)

①居室の避難開始時間

②居室の出口に達するまでの歩行時間
(逃げ始めてから出口に到達するまでの時間)

②居室の出口に達するまでの歩行時間

③居室の出口の通過に要する時間
(出口のドア廻りで人が滞留することによって停滞してしまう時間)

③居室の出口の通過に要する時間

■居室の避難終了時間

■居室の避難終了時間

④居室の煙等降下時間
(煙が天井から溜まり始めて、一定の位置に達するまでの時間)

④居室の煙等降下時間

居室の避難終了時間 ≦ 居室の煙等降下時間 ⇒ O.K.

■計算式(階避難の検証の場合)

①階の避難開始時間
(火災が起きたことに気付いて逃げ出すまでの時間)

①階の避難開始時間

②階の出口に達するまでの歩行時間
(逃げ始めてから出口に到達するまでの時間)

②階の出口に達するまでの歩行時間

③階の出口の通過に要する時間
(出口のドア廻りで人が滞留することによって停滞してしまう時間)

③階の出口の通過に要する時間

■居室の避難終了時間

■居室の避難終了時間

④居室の煙等降下時間
(煙が天井から溜まり始めて、一定の位置に達するまでの時間)

④居室の煙等降下時間

※避難経路等に関係なく、全ての煙伝播経路の中で最も短い煙降下時間が対象になります。

階の避難終了時間 ≦ 階の煙等降下時間 ⇒ O.K.

計算具体例

■居室避難の検証例①

居室避難の検証例①

  • 避難開始時間: 0.48分
  • 歩行時間:0.25分
  • 扉通過時間:1.44分

扉の所で人が滞留して
しまうという計算結果に。

避難終了時間: 2.17分
煙等降下時間: 0.98分

[判定:NG]

  • 避難開始時間: 0.48分
  • 歩行時間:0.22分
  • 扉通過時間:0.25分

扉を追加することで、扉通過時間が
大きく改善されています。

避難終了時間: 0.95分
煙等降下時間: 0.98分

[判定:OK]

上記はあくまで一例です。
プランによって必要な対策は変わります。

在館者密度・発熱量についてはこちら

■居室避難の検証例②

居室避難の検証例②

  • 避難開始時間:0.48分
  • 歩行時間:0.22分
  • 扉通過時間:0.25分

避難終了時間: 0.95分
煙等降下時間: 0.85分

天井高さが低いため煙が早く
溜まってしまうという計算結果に。

[判定:NG]

  • 避難開始時間: 0.48分
  • 歩行時間:0.22分
  • 扉通過時間:0.25分

避難終了時間: 0.95分
煙等降下時間: 0.98分

天井高さを高くすることで、
煙等降下時間が改善されています。

[判定:OK]

上記はあくまで一例です。
プランによって必要な対策は変わります。

在館者密度・発熱量についてはこちら

■居室避難の検証例③

居室避難の検証例③

  • 避難開始時間:0.48分
  • 歩行時間:0.22分
  • 扉通過時間:0.27分

避難終了時間: 0.97分
煙等降下時間: 0.95分

内装材が準不燃材のため、
煙が早く成長してしまうと言う計算結果に。

[判定:NG]

  • 避難開始時間:0.48分
  • 歩行時間:0.22分
  • 扉通過時間:0.25分

避難終了時間: 0.95分
煙等降下時間: 0.98分

内装を不燃材にすることで、扉通過時間と 煙等降下時間が改善されています。

[判定:OK]

上記はあくまで一例です。
プランによって必要な対策は変わります。

在館者密度・発熱量についてはこちら

■階避難の検証例

階避難の検証例

  • 避難開始時間: 3.51分
  • 歩行時間:0.32分
  • 扉通過時間:0.37分

避難終了時間:4.20分
煙等降下時間:0.83分

事務所~廊下に煙がどんどん
流入してしまうと言う計算結果に。

[判定:NG]

  • 避難開始時間:3.51分
  • 歩行時間:0.32分
  • 扉通過時間:0.37分

避難終了時間:4.20分
煙等降下時間:5.00分

扉を防火設備に変更することで、
煙等降下時間が改善されています。

[判定:OK]

上記はあくまで一例です。
プランによって必要な対策は変わります。

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